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2005年4月27日〜5月25日
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   更新:2006/12/15
 2005年4月27日〜5月25日新聞に掲載された関連記事
2005年5月3日付毎日新聞 欧州憲法:批准是非問う国民投票、フランスで実施 「ノン」の高まり、EU拡大も左右
 25カ国に拡大した欧州連合(EU)。その土台となる欧州憲法の是非を問う国民投票が5月29日、フランスで実施される。だが、反対世論は根強く、批准の見通しは立っていない。仏での「ノン」の高まりが直後に国民投票を控えるオランダなど他国の世論動向に波及するのは必至だ。憲法は1カ国でも批准できなければ発効しないだけに、仏の反対はトルコ加盟などの課題を抱えるEUの将来を大きく左右することになる。【ブリュッセル福原直樹、パリ福島良典】

 仏調査機関IPSOSの世論調査によると、憲法反対派は52%、賛成派は48%。支持政党別では「欧州強化には憲法が必要」と訴えるシラク大統領の保守与党「国民運動連合」(UMP)支持層では賛成が主流だが、反対派は極左から極右まで各党支持層に広がり、反対理由も千差万別だ。

 反対陣営の主軸を占めるのが、欧州憲法の経済重視姿勢、市場・競争原理に反発する市民レベルの「反グローバリズム(地球規模化)勢力」だ。市民団体アタックは「憲法はEUに自由主義の基準を適用する装置」と指弾。農民活動家のジョゼ・ボベ氏(51)は「EUは生産性重視。憲法が定めるEUの仕組みは権限集中型の世界貿易機関(WTO)に酷似している」と指摘する。

 共産党など既成政党の憲法反対派も反グローバリズム勢力と共闘している。党本部方針に逆らって反対陣営に立つ社会党のピエール・ラルトゥルー氏(40)は「欧州統合は市場だけでは達成できない」として「社会的な欧州」建設を求める署名運動を展開している。

 より安価な労働力を求める企業が生産拠点を外国に移転する動きを強めている点も、労働者層の憲法反対機運に拍車をかけている。工場移転を決定した仏ガラス絶縁体メーカー「セディベール」の労組代表、ノエル・パピュ氏(46)は「自由主義の憲法には企業移転を防ぐ措置がない」と話す。

 「主権論者」と呼ばれる人々はフランスの国家主権がEUに吸い上げられるのを嫌い、左右を問わず国粋主義だ。極右政党「国民戦線」のルペン党首(76)は「最大の危機は仏が移民流入によりアイデンティティーを失うことだ。憲法批准なら仏国家は消滅してしまう」と危機感をあおっている。

 85年から10年間欧州委員長を務めたジャック・ドロール氏(79)は欧州憲法下でも「経済、雇用、保健、教育、文化に関する政策は加盟国の領域となる」と反対派に反論。仏国民が憲法を否認すれば「仏の影響力は低下する」と警鐘を鳴らしている。

 ◇オランダも否決ムード−−トルコ加盟交渉に黄信号

 6月1日に国民投票を行うオランダでも、否決の可能性が高まっている。最近のテレビ局や独立系調査会社の世論調査では、反対が58〜52%と、賛成をリード。一方、政府調査では賛成が小差で反対を上回っている。

 反対陣営は社会党や右翼政治家などで、反対理由も同党が現政府への批判票を集める方針のほか、トルコのEU加盟や移民増加への批判など幅広い。政府や主要政党などの賛成陣営には「憲法の良さを効果的に訴えていない」(地元紙)との批判が集中している。

 バルケネンデ首相は、「反対陣営はビジョンを示さず、不安をあおっている」と批判。一方、ニコライEU担当相は「国民の議論は(憲法に)否定的だ」と本音を見せた。

 ◇欧州の終焉?

 「仏の憲法否決は、欧州の終焉(しゅうえん)を意味する」

 欧州委員会(EUの内閣に相当)のプロディ前委員長は、最近こう話した。憲法はEUが現在の25カ国から、将来的に30以上に増えることを見すえ作られた。否決が、10月に始まるトルコの加盟交渉など、欧州拡大に与える影響は計り知れない。

 憲法は、賛成国数に加え、賛成国の総人口数も考慮した多数決方式を規定した。EU最大の人口を持つ独(8200万人)に匹敵するトルコ(7000万人)加盟などを視野に入れた民主的、効率的な方法だった。これに対し、現行の多数決方式は中小国の発言権を重視するあまり、人口比に見合わない票数を各国に分配している。憲法が否定されれば、EUはこの現行方式を維持しなければならない。このため「このままでは、トルコなどが加盟できる体制が整わない」(EU高官)という懸念は根強い。

 ◇内部で対立も

 「否決の場合、プランB(代替策)はない」

 オランダのボット外相が主張するように、EUに否決後のシナリオは全くないのが現状だ。別の欧州憲法を新たに作るのは不可能だ。否決後、憲法の一部を仏やオランダの民意に沿うように変更し、再投票にかける案もあるが、これも他国から「不公平だ」という反発を招くのは間違いない。

 「憲法が否決されれば、EUの主要国が団結し、EUを引っ張ることもありえる」。フラティニ欧州委員(司法・治安担当)は最近、こう述べた。EUには、共通外交や防衛での課題が山積する。憲法発効を待たず、一部の国だけで重要事項の審議を進めようという考えだが、これも内部対立を招きかねず、「否決で、EUが袋小路に入る」(EU高官)のは間違いない。



 ◇経済も雇用も上向かず−−反対派の政治組織「共和国・市民運動」名誉会長、ジャンピエール・シュベヌマン元内相・国防相

 欧州憲法に反対する仏世論の高まりについて、政治組織「共和国・市民運動」名誉会長のジャンピエール・シュベヌマン元内相・国防相(66)=写真=に聞いた。

 −−反対が根強い理由は。

 ◆第一の理由は経済・労働状況だ。失業率は10%に達し、企業移転は加速している。マーストリヒト条約賛成派は完全雇用、繁栄、経済成長、ドルへの対抗などを約束したが、どれも果たされなかった。

 第二は欧州が市民からかけ離れたところで建設されてきたという感情だ。ブリュッセルの行政官僚の絶対権力が認められ、市民は意見を反映させるすべがなかった。

 −−憲法の不備は何か。

 ◆現行のニース条約の方が加盟国の意思が尊重されている。また、憲法では初めて北大西洋条約機構(NATO)が「防衛の枠組み、機構」と規定されている。欧州が独立外交を展開するためには米国人将校に依存する防衛ではなく、自立した防衛が不可欠だ。

 −−仏の憲法拒否の影響は。

 ◆欧州建設を後退させるものではない。仏は欧州建設の創始国のひとつであり、反・欧州ではない。ただ、仏市民は欧州のあり方をより民主的なものに変えようとしているだけだ。【聞き手・パリ福島良典、写真も】



 ◇全加盟国の批准必要−−国会か国民投票で

 欧州統合は、1952年に創設された欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)から始まり、67年には欧州共同体(EC)が発足。さらに93年、マーストリヒト条約でEU(欧州連合)に成長した。

 99年、アムステルダム条約で単一通貨ユーロ導入を果たし、その後は中東欧諸国の加盟交渉が本格化した。急速な加盟国拡大に合わせた政策決定過程の効率化のため、原則だった全会一致制に代えて、各分野で多数決制を大幅に導入。こうした改革をニース条約(03年2月発効)に結実させた。

 欧州首脳会議は04年6月、これらの基本条約を整理、補強した欧州憲法を採択した。大統領職や外相を新設し、欧州議会にこれまでなかった立法権を与えている。欧州憲法の発効には加盟25カ国すべての批准が必要だが、加盟国の批准手続きは、国会に可否を問う方法とフランスのように国民投票を行う方法に分かれている。
は企業移転を防ぐ措置がない」と話す。

 「主権論者」と呼ばれる人々はフランスの国家主権がEUに吸い上げられるのを嫌い、左右を問わず国粋主義だ。極右政党「国民戦線」のルペン党首(76)は「最大の危機は仏が移民流入によりアイデンティティーを失うことだ。憲法批准なら仏国家は消滅してしまう」と危機感をあおっている。

 85年から10年間欧州委員長を務めたジャック・ドロール氏(79)は欧州憲法下でも「経済、雇用、保健、教育、文化に関する政策は加盟国の領域となる」と反対派に反論。仏国民が憲法を否認すれば「仏の影響力は低下する」と警鐘を鳴らしている。

 ◇オランダも否決ムード−−トルコ加盟交渉に黄信号

 6月1日に国民投票を行うオランダでも、否決の可能性が高まっている。最近のテレビ局や独立系調査会社の世論調査では、反対が58〜52%と、賛成をリード。一方、政府調査では賛成が小差で反対を上回っている。

 反対陣営は社会党や右翼政治家などで、反対理由も同党が現政府への批判票を集める方針のほか、トルコのEU加盟や移民増加への批判など幅広い。政府や主要政党などの賛成陣営には「憲法の良さを効果的に訴えていない」(地元紙)との批判が集中している。

 バルケネンデ首相は、「反対陣営はビジョンを示さず、不安をあおっている」と批判。一方、ニコライEU担当相は「国民の議論は(憲法に)否定的だ」と本音を見せた。

 ◇欧州の終焉?

 「仏の憲法否決は、欧州の終焉(しゅうえん)を意味する」

 欧州委員会(EUの内閣に相当)のプロディ前委員長は、最近こう話した。憲法はEUが現在の25カ国から、将来的に30以上に増えることを見すえ作られた。否決が、10月に始まるトルコの加盟交渉など、欧州拡大に与える影響は計り知れない。

 憲法は、賛成国数に加え、賛成国の総人口数も考慮した多数決方式を規定した。EU最大の人口を持つ独(8200万人)に匹敵するトルコ(7000万人)加盟などを視野に入れた民主的、効率的な方法だった。これに対し、現行の多数決方式は中小国の発言権を重視するあまり、人口比に見合わない票数を各国に分配している。憲法が否定されれば、EUはこの現行方式を維持しなければならない。このため「このままでは、トルコなどが加盟できる体制が整わない」(EU高官)という懸念は根強い。

 ◇内部で対立も

 「否決の場合、プランB(代替策)はない」

 オランダのボット外相が主張するように、EUに否決後のシナリオは全くないのが現状だ。別の欧州憲法を新たに作るのは不可能だ。否決後、憲法の一部を仏やオランダの民意に沿うように変更し、再投票にかける案もあるが、これも他国から「不公平だ」という反発を招くのは間違いない。

 「憲法が否決されれば、EUの主要国が団結し、EUを引っ張ることもありえる」。フラティニ欧州委員(司法・治安担当)は最近、こう述べた。EUには、共通外交や防衛での課題が山積する。憲法発効を待たず、一部の国だけで重要事項の審議を進めようという考えだが、これも内部対立を招きかねず、「否決で、EUが袋小路に入る」(EU高官)のは間違いない。



 ◇経済も雇用も上向かず−−反対派の政治組織「共和国・市民運動」名誉会長、ジャンピエール・シュベヌマン元内相・国防相

 欧州憲法に反対する仏世論の高まりについて、政治組織「共和国・市民運動」名誉会長のジャンピエール・シュベヌマン元内相・国防相(66)=写真=に聞いた。

 −−反対が根強い理由は。

 ◆第一の理由は経済・労働状況だ。失業率は10%に達し、企業移転は加速している。マーストリヒト条約賛成派は完全雇用、繁栄、経済成長、ドルへの対抗などを約束したが、どれも果たされなかった。

 第二は欧州が市民からかけ離れたところで建設されてきたという感情だ。ブリュッセルの行政官僚の絶対権力が認められ、市民は意見を反映させるすべがなかった。

 −−憲法の不備は何か。

 ◆現行のニース条約の方が加盟国の意思が尊重されている。また、憲法では初めて北大西洋条約機構(NATO)が「防衛の枠組み、機構」と規定されている。欧州が独立外交を展開するためには米国人将校に依存する防衛ではなく、自立した防衛が不可欠だ。

 −−仏の憲法拒否の影響は。

 ◆欧州建設を後退させるものではない。仏は欧州建設の創始国のひとつであり、反・欧州ではない。ただ、仏市民は欧州のあり方をより民主的なものに変えようとしているだけだ。【聞き手・パリ福島良典、写真も】



 ◇全加盟国の批准必要−−国会か国民投票で

 欧州統合は、1952年に創設された欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)から始まり、67年には欧州共同体(EC)が発足。さらに93年、マーストリヒト条約でEU(欧州連合)に成長した。

 99年、アムステルダム条約で単一通貨ユーロ導入を果たし、その後は中東欧諸国の加盟交渉が本格化した。急速な加盟国拡大に合わせた政策決定過程の効率化のため、原則だった全会一致制に代えて各分野で多数決制を大幅に導入。こうした改革をニース条約(03年2月発効)に結実させた。

 欧州首脳会議は04年6月、これらの基本条約を整理、補強した欧州憲法を採択した。大統領職や外相を新設し、欧州議会にこれまでなかった立法権を与えている。欧州憲法の発効には加盟25カ国すべての批准が必要だが、加盟国の批准手続きは、国会に可否を問う方法とフランスのように国民投票を行う方法に分かれている。
2005年5月21日付ロイター 仏のEU憲法国民投票、反対派が過去最高を更新
 欧州連合(EU)憲法批准の是非を問うフランス国民投票(5月29日実施)は、21日公表の世論調査で、反対派の比率が過去最高を更新した。
 来月の投票日までに世論の流れを変えたいシラク大統領にとって、大きな痛手となる。
 調査機関BVAインスティチュートが、レクスプレス誌の委託で行った世論調査(実施日:18─19日)によると、国民投票で賛成・反対どちらに投票するかを決めたと答えた人のうち、反対票を投じると回
答したのは58%で、約2週間前の調査から5ポイント増えた。賛成票を投じるとの回答は42%だった。
 全体では、29%が態度未定と回答している。
 シラク大統領は14日、憲法支持を呼びかけるキャンペーンで初めてテレビ討論会に参加したが、反対派の拡大に歯止めをかけることはできなかったようだ。
 EU憲法の発効には、加盟国すべての批准が必要となる。
2005年5月22日付毎日新聞 欧州憲法:国民投票まで1週間、反対派が勢い維持−−フランス
 欧州連合(EU)憲法の是非を問う国民投票(29日)を1週間後に控えたフランスで反対世論が勢いを維持している。シラク大統領とラファラン首相に対する国民の支持率も急落、政府批判が憲法反対に結びついている格好だ。

 仏調査機関BVAが今月18日に実施した電話世論調査によると、憲法反対は53%で微増傾向にあり、賛成47%を6ポイント上回った。欧州憲法は各国妥協の産物で、シラク大統領は「再交渉はない」と明言する。だが、仏国民の69%が「国民投票で反対派が勝てば交渉のやり直しができる」と自国に有利な形での憲法修正が可能と考えている。

 BVA調査によれば、シラク大統領の今月の支持率は39%で先月から9ポイント低下、ラファラン首相は7ポイント減の21%と3年前の就任以来、最低を記録した。
 
※この記事は旧「真っ当な国民投票のルールを作る会」のHPに掲載されたものです。
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