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憲法改正手続法(国民投票法)制定についての私たちの見解
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   更新:2007/05/11
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【見解】憲法改正手続法(国民投票法)制定についての私たちの見解


2007年5月11日


 衆議院を通過した憲法改正手続法(国民投票法)の「併合修正案」が、本日、参議院憲法調査特別委員会において採決に付され、賛成多数により可決されました。
 これにより、14日に予定されている参議院本会議での可決・成立はまちがいなく、この際、制定ついての私たちの見解を示しておきます。

[1]憲法改正手続法の制定についての基本的な考え方。
 私たち「情報室」の姿勢はホームページ上ですでに示していますが、あらためて簡略に記しておきます。
 立法府・国会議員が、公平かつ合理的な憲法改正手続法の制定を怠ったり阻んだりする行為は、国民の憲法改正権を侵害するものだと私たちは考えています。国会議員がなすべきことは、主権者の憲法改正権の行使を具現化する法律の制定を阻むことではなく、公平で合理性に富んだルール作り(=立法)のために、邪心なく幅広い合意形成に尽くすことであり、個人あるいは党としての改憲・護憲の姿勢や目先の選挙戦略等に囚われる行為に終始してはならないと考えます。

[2]「市民案」を作成し、衆参両院にその反映を働きかけたことは正しかった。
 04年の春、弁護士、首長、議員、学者、ジャーナリストらによって「真っ当な国民投票のルールを作る会」が結成されました。上原公子(前国立市長)、折田泰宏(弁護士)氏ら本会の運営委員の多くも参加していたこの会は、改憲・護憲の立場に囚われない公平で合理的なルール作りを目指し、東京・京都・福岡など各地で研究会を重ねました。
 また、スイスやフランスで実施された国民投票の現場にメンバーが足を運ぶなど、調査活動も重ねました。そして、1年余をかけ、憲法改正の是非を問う国民投票のあるべきルール設定を「市民案」としてまとめた後、05年2月末にこれを衆参両院の憲法調査会に提出し、立法に反映してほしいと要請しました。また、法案審議に携わる与野党のリーダーを市民のフィールドへ招いての公開討論会を、東京・大阪において開催しました。
 「ルールを作る会」のこうした活動は、法案の作成や審議に一定の影響を与えたものとして評価されるべきだと考えます。例えば、最近になってメディアやさまざまな団体が指摘し始めたテレビのスポットCMについては、「真っ当な」の結成当初より「国会の憲法改正発議以降全面禁止とすべし」と提案し、この問題について議論する必要性を立法府やメディアに訴えてきました。また、会の事務局長が2度にわたり参考人として衆議院憲法特で意見陳述を行なっています。
 かつての憲法調査推進議連案に合理性に欠ける要素が多々あったからといって、ただ「反対」するのではなく、これが真っ当なルールなんだと自分たちが「市民案」を作成し、衆参両院にその反映を働きかけたことは正しかったと、私たちは考えています。
 こうした「ルールを作る会」の情報資産を受け取ると同時に、その意思と活動を引き継いだのが、私たち[国民投票/住民投票]情報室であり、この手続法の審議・立法を担った人々やスポットCM規制の是非など課題となっている問題の関係者を招いての公開討論会を開催しています。また、今後はこの法律が施行されるまでの3年間の経過期間中、私たちは、立法府に対してこれまで同様積極的に批判や提案を行なうつもりです。

[3]この時点での、この中身での採決・成立について。
 議論は重ねれば重ねるほどいい。これは間違いありません。ただし、安倍首相が「集団的自衛権の行使」を秋にも認める構えでいる状況を考慮すると、更なる解釈改憲の進行を止める手立てを主権者が獲得するという意味で、いつまでも手続法の制定をなさないことが絶対に正しいとは考えません。
 改憲の是非を決定する権利を持っているのは私たち主権者であるにもかかわらず、その権限を持たない内閣や立法府が事実上の改憲行為を重ねるのは、私たちの主権(憲法改正権)の侵害であり、こうした行為に歯止めをかけるためにも、改憲の是非を決める国民投票の法制化は不可欠。ただし、その内容は改憲・護憲両派に対して公平かつ合理性に富んだものでなくてはなりません。
 では、今回制定された法案の中身はどうか。概ね、諸外国と比較して大差のない常識的なものになっていますが、日本の政府・権力の持つ「性向・悪弊」を考慮すると、「公務員法制上の政治活動の制限」を国民投票運動においては「適用除外」とする旨の規定を盛り込む必要があったのではないかと考えます。
 とはいえ、戸別訪問は自由だし、ビラの作成配布も無制限など、選挙と比べて市民が運動に参加する際の自由度は格段に増しており、全体としては80点をつけてもいい内容になっていると考えます。

 「最低投票率」「スポットCM」 など個別のテーマについての見解は、5月8日に参考人として参議院憲法特で陳述した、本会事務局長の陳述要旨、及び参議院の映像ライブラリを参考にしていただきたい。

本会事務局長の陳述要旨
5月8日の参議院「日本国憲法に関する調査特別委員会」(インターネット中継)



 
 
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