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9条護憲派が具体的なビジョンを示さなければ・・
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   更新:2007/10/01
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9条護憲派が具体的なビジョンを示さなければ・・


2007年9月30日


 先週、テレビ、新聞、雑誌の仕事をしている6人のジャーナリスト(おそらくみなさん「9条護憲派」)と都内で会い、夜中まで語り合いました。
 私はどうしても彼らに訊きたいことがあったのです。
 憲法9条と安保・自衛隊は並存し得ない(だから安保廃棄・自衛隊改組だ)という長谷川正安さんらオーソドックスな護憲派に対して、内田樹さんや加藤典洋さんは、両者の並存は矛盾ではなく、安保・自衛隊を認めながら9条をまもるべしと主張しています。
 一方、(安保廃棄・自衛隊改組を主張している)渡辺治さんは、当面は内田さんのような意見を持つ人々に対する批判は控え(9条をまもるという一点で)スクラムを組むという姿勢です。
 豊下楢彦さんも、今は、安保・自衛隊に賛成か反対かを(護憲派の人々に)迫るときではなく、[海外派兵反対]の一点で結集すべきだと語っています。(山口二郎さんもそうです)
 こうした「安保・自衛隊の賛否は脇に置いといて」派の主張は、護憲派(ニューカマー)の中で支持を広めつつあります。でも、沖縄の知花昌一さんたちは「とんでもない主張だ」とか「護憲派による解釈改憲だ」と反発しています。

 将来、主権者に「憲法9条の是非」を問う国民投票が実施される際、改憲・護憲の両陣営は、投票までのキャンペーン期間中に「改正してこうする」「改正を阻んでこうする」という自分たちのビジョンを明快かつ具体的に示す必要があります。
 改憲派なら「自衛隊を正規の軍隊にして、防衛のためなら交戦する。日米安保を強化し集団的自衛権も行使する」といった具合。護憲派なら、例えば「日米安保を解消し、自衛隊を災害救助隊や国境警備隊に改組する」という具合です。
 9条を変える変えないという主張に伴って、こうした具体的なビジョンを明示する。それによって初めて中身のある水準の高い議論が交わされることになります。
 ところが、9条護憲派の中には「9条は自衛戦争を認めている」とか「9条と安保・自衛隊は矛盾していない」とか、旧来の9条護憲派の主張とは異なる意見を述べる人が登場してきました。だからといって派内で見解の統一を図ろうとすると「翼」が折れたり小さくなったりするので、この件については敢えて(仲間内で)論争はしないという戦術をとっているようにも見えます。
 けれども、護憲派が統一した見解を打ち出さずに投票キャンペーンに臨むとしたら、国民が「9条護憲」を選択した場合、安保・自衛隊の存在は解釈改憲状態の「現状維持」なのか、(そうした状態を解消すべく)政府に対して「廃棄・改組」を求めることを意味するのかといった防衛に関する具体的なビジョンが曖昧になり、議論が抽象化してしまうのではないでしょうか。──これは9条護憲派の戦術に対する批判ではなく、内容のない国民投票になりはしないかと危惧しているという話です──。
 水準の高い実効性を伴った国民投票を実現するためには、賛否両派の主張を歪みなく具体的かつ公平に投票権者に伝えなければなりません。新聞・テレビなどのマスメディアがその仕事を担うことになりますが、本会も護憲・改憲の枠を超えてそうした活動を進めるべきではないかと私は考えています。

 10月26日に大阪で行なわれる本会メンバーの懇談会では、知花昌一さんを囲んで、上記の問題について彼の意見を聞くと同時に、出席者で意見交換をしたいと思っています。今回は非会員の方の参加も歓迎しますので、みなさんぜひお越し下さい。
 日時・場所などはコチラ


(本会事務局長 今井 一)



 
 
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